「ソムリエ」「ワインエキスパート」とは国際ソムリエ協会（A.S.I）に加盟している日本ソムリエ協会（J.S.A）が認定する資格です。呼称資格認定試験は、「ソムリエ」は酒類飲料に関わる職務を通算3年以上経験し試験基準日（2024年は8月31日）も従事している20歳以上、「ワインエキスパート」は職務経験を問わず満20歳以上に受験資格があります。2024年度の受付は7月12日（金）17時59分までです。（※詳細は公式HPにて）
「ソムリエ」「ワインエキスパート」の1次試験の筆記、2次試験のテイスティングの難易度は同等ですが、「ソムリエ」のみ3次試験のサービス実技があります。当記事では「ソムリエ」「ワインエキスパート」の1次試験、2次試験で参考になるおすすめの書籍や動画、講座、WEBサイトを紹介します。
教本は1年違うだけで全く違う記述が存在するため、1次試験における学習では最新版に即しているかどうがが非常に重要です。昔の参考書を古本などで購入することはやめましょう。教本の発売日は3月1日なので、早くともそれ以降に発行、更新されたものを参考にしてください。
更新（24/05/05）
2024年度試験に準じた内容に更新
勉強法
1次は2割理解8割暗記、2次勉強は早めの開始を
1次試験はひたすら暗記と過去問や問題集を解く勉強を繰り返すことになります。日本語だけではなく、フランス語をはじめとする他国の言語をカタカナで読み覚える必要があるため暗記に時間がかかります。
また、1次試験勉強中にも2次試験を意識してワインは飲んでいた方が良いでしょう。ワインを多く飲んでいる人ほど間違えることもある試験ですが、飲まないことには始まりません。この香りや味わいはこの表現でこの国、とこれまで培ったワインの味わいの表現をソムリエ用語に上書きしていきます。
2次試験では、国際規格のテイスティンググラスが使われます。グラスによって香りの感じ方は大きく変わるため自宅で勉強するならばテイスティンググラスの購入は必須です。
試験予約は開始早々に
ソムリエ、およびワインエキスパートの1次筆記試験日は2024年7月20日（土）～8月31日（土）です。予約開始日から規定期間に予約しますが、後半になるにつれ埋まっていきます。最寄りの会場が予約できず、県外へ受験することとなってしまった人も居ます。できるなら予約開始日当日には予約を完了しておくのがおすすめです。
また、試験方法はCBT方式です。受験者は会場のPC端末でログインするたびにランダムに120問振り分けられます。そのため受験者それぞれで出題内容が異なります。合否は試験終了と同時に端末のモニターに映し出されます。
前半に受験した人によって出題傾向がネットで話題になっていきます。勉強時間に不足を感じている人は、どの範囲を強化して覚えるのか見極めるためにも後半の日程で予約した方が良いと思います。 また、1次試験は2回まで受験が可能なので、期間前半と後半で受験日を振り分けて対策しても。
可能であればテイスティングだけでも講座は行った方が安心
講座では、講師や学校独自のネットワークによる出題傾向の対策が教えてもらえます。ネット上では確認できない試験当日の雰囲気や試験方法の疑問、心構えなどすぐ解消できることも安心して臨むことに繫がるのではないでしょうか。
また、2次テイスティング試験日は10月7日（月）で、1次試験から時間がありません。講座では1次試験用学習時からテイスティング学習も並行して実施する講座が多数あります。2次試験のテイスティングではワインだけではなくワイン以外の酒類も行われます。個人で数多くのワインを用意しブラインドテイスティングを行うだけでも厳しい上、ワイン以外の膨大な種類の酒類を勉強することは大変難しいことから、テイスティングの勉強ができることは講座へ通う最大の利点と言えると思います。第2次試験の勉強のみ講座へ通うだけでも大きな意味があります。
おすすめ参考書・問題集
受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座 ワイン地図帳付き〈2024年度版〉
ソムリエ・杉山明日香先生による、ソムリエ・ワインエキスパート試験鉄板の参考書です。杉山先生は、進学予備校で長年教鞭を執る一方で、理論物理学の博士号も取得するなど、教育と学術両面で卓越した能力の持ち主。さらにソムリエの資格も保有するなど、ワインの知識も一流です。
本書では、最新のソムリエ教本を、丁寧にわかりやすくまとめ直しています。みっちりと詰まりわかりにくい教本の内容をコンパクトにし、重要ポイントを明確に解説。見開きの地図付きで、より理解が深まる工夫も施されています。
変更点も適切に反映されており、試験に出る最新の範囲をしっかりカバー。杉山先生の的確な解説と構成で、ムリなく確実な知識の定着が図れる優れた一冊です。
関連リンク
アスカ・レコール・デュ・ヴァン （杉山明日香先生のワインスクール）
覚えやすく、学びやすい、ソムリエ試験対策問題集 2024年度版: CBT方式に勝つ! 受験のプロが分析した出題高確率の1250問
シニア・ソムリエ、シニア・ワインアドバイザーの肩書きを持つ藤代浩之氏とソムリエの藤代美穂氏による、試験対策の問題集です。
本書には試験の傾向を的確に反映した1250問が収録されています。この問題を完全に制覇できれば、試験に身構えることのない実力がつくのではないでしょうか。私は全問正解になるまで繰り返し読み込みました。研究尽くされた設問は実際の出題内容とよく似ていて大変助かりました。この参考書なくして合格はなかったと思います。
初版発売前の2020年の時点では、最新の教本の変更点を補完する追加データの提供がありました。現行版では、発売時点での最新の教本に完全に準拠しており、より確かな対策ができる内容に進化しています。売り切れることもあるので必要な方はお早めのご注文をおすすめします。
関連リンク
ワインクリンクス（藤代浩之先生と藤代美穂先生のワインスクール）
ヴィノテラス ワインスクール ソムリエ・ワインエキスパート試験対策2024 Vol.1 Vol.2
ヴィノテラスワインスクールが発行する、ソムリエ・ワインエキスパート試験の参考書です。監修は、多数のワインコンクール受賞経験を持つ一流ソムリエ、佐々木健太講師が手がけています。2023年度版も絶賛されています。
本書だけでも問題は掲載していますが、別売の専用アプリ「VINOLET」と連携すれば効果的な暗記ドリルが可能になり、より確実な記憶定着を狙えます。
テキストは1冊に絞りたいという方におすすめの参考書です。ただし、講述する同スクールの有料講座に申し込む場合はテキストが受講料に含まれるため、別途購入する必要はありません。
富田葉子の テイスティング虎の巻
アカデミー・デュ・ヴァンの講師であり、ソムリエの富田葉子先生による2次テイスティング試験対策の決定版です。
本書には、過去約20年間のソムリエ・ワインエキスパート試験で実際に出題された銘柄の、公式模範解答と詳細な分析が凝縮されています。テイスティングには確実な正解はありませんが、この書に収められた豊富なデータと深い解説を参照することで、自分なりの納得のいく答えを導き出すことができるでしょう。
1人でテイスティング練習をする際の答え合わせでも大活躍間違いなし。別冊の「出題分析データ集」と併せて活用すれば、より実践的な対策も可能になります。
富田先生の知見が存分に注がれたこの一冊は、テイスティング試験を打破するための強力な武器になるに違いありません。
関連リンク
とみわいん.com（富田葉子先生のHP）
最新版 ワインテイスティングバイブル
ホテルニューオータニで長年エグゼクティブシェフソムリエを務める谷宣英氏による、まさにワインテイスティングのバイブルと呼ぶにふさわしい1冊です。谷氏は数々のワインコンクールで受賞し、2020年には黄綬褒章を受章するなど、ワイン界でも確固たる地位を確立されています。
気候変動の影響やトレンドの移り変わりによって、ワインの表情は年々変化を遂げています。谷氏はその最新状況を見据え、2014年発売の同著「ワインテイスティングバイブル」を全面改訂し、移り変わるワインの姿を多角的に解説しています。
近年注目を集めるオレンジワインの解説も加えられ、英国やカナダなどの産地も幅広く取り上げられています。さらに実際に手に入れられるワインが紹介されているため、本書を手に実践的な学びも可能です。
ワインテイスティング
第4回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝の他数々の受賞歴を持つ佐藤陽一氏によるテイスティング指南書。私は本書を参考にしながらテイスティングの学習に励みました。佐藤氏が日本ソムリエ協会理事を務めていることから、試験対策としても確かな情報源として安心して活用できます。
基礎知識から代表銘柄123本の外観とディスクリプション、それらに対する的確なコメントまで、試験で問われる内容を漏れなく網羅した充実の一冊です。試験後も長く活用できる価値ある1冊といえるでしょう。
しかしながら、この書籍が発売されてから数年が経過し、ワイン業界の動向は移り変わっています。ソムリエ・ワインエキスパート試験の基礎知識を学ぶ上では今なお頼もしい存在ですが、2016年発売のため、最新のワイン情報を網羅することは難しいでしょう。そのため、テイスティングの学習においては、より新しい参考書を選ぶことをおすすめします。
関連リンク
おすすめ動画
YouTubeチャンネル「語呂ワイン」
ワインの産地や品種の名前は覚えるのが難しく、その膨大な量を一から暗記しようとすると混乱が避けられません。そこでこのチャンネルでは、試験突破を目的とした語呂合わせやコツなどを解説し、効率的な記憶の仕方を提案しています。
例えばボルドーメドック格付け2級のシャトーを丸覚えしようとするよりも、頭文字だけを「コモ ピピ デュグレレレ デュラロロブ」と並べた方が覚えやすくなります。ウルグアイといった馴染みの少ない国でも、「リベラは雨。田中は有り得る。」（北部のリベラ地方は最も降水量が多く、アリナルノアはタナとCSの交配品種）などの短いフレーズにすることで自然と記憶に残ります。
教本の内容に即した分かりやすい解説で、聞いているだけでも知識が定着していきます。通勤・通学時間に動画を活用すれば、効率的に学習できるでしょう。苦手分野を効果的にカバーできる、痒いところに手が届くチャンネルです。
おすすめWEBサイト
ちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざ
一流ホテル・レストランのエグゼクティブソムリエを歴任し、2021年には権威ある「ゴ・エ・ミヨ」でベストソムリエに選ばれた松岡正浩氏による、ソムリエ・ワインエキスパート試験対策講座です。
松岡氏は現在、「柏屋 大阪千里山」の支配人を務めています。そんな一流のソムリエが、ウェブサイトで自らの知見を惜しみなく公開しています。
講座では、松岡氏による的確でシンプルな暗記ポイントが満載。難解な内容をストレートに解説してくれるため、「これなら合格できそう」と前向きな気持ちで学習できます。さらに背中を押す激励の言葉も多数掲載されており、精神的な支えにも。
一流の技と経験に裏打ちされた実践的な講座は、ソムリエやワインエキスパートを目指す人々に最高の学びの機会を提供してくれることでしょう。
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日本料理 柏屋 大阪千里山 Japanese Cuisine Kashiwaya Osaka Senriyama
とみわいん.com − はじめてのワイン、今さら聞けないワインの知識、資格対策
ソムリエ・富田葉子先生による、ワイン資格試験対策の公式サイトです。ソムリエ、ワインエキスパート、ベネンシアドール、シェリーアンバサダーなど、幅広い資格講座コンテンツが満載されています。
覚えにくい土壌や人名、シノニムなどは、わかりやすい表形式でコンパクトにまとめられており、一目で内容を確認できます。効率的な暗記が可能になっているのが大きな魅力です。
さらに、分かりやすい替え歌による暗記術や、過去問題の解説など、試験に直結する実践的なコンテンツも多数用意。本格的に勉強を始めたい人からちょっと覗いてみたい人まで、幅広いニーズに応えてくれるでしょう。
ソムリエの第一人者による知見の濃い内容は、資格取得を目指す多くの人々の頼れる味方となることは間違いありません。
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ソムリエ試験勉強の始め方 | めしわいん
外資系ワイン会社で実務経験を積んだソムリエ・重田拓哉氏が運営する、ワインと料理に関する実践的な Web サイトです。
重田氏は、ワインコンサルタントや販売部門のマネージャーを歴任。現場で培った経験と知見を活かし、ソムリエ・ワインエキスパート試験対策に特化したコンテンツを詰め込んでいます。
初学者でも戸惑うことなく学べるよう、ソムリエとはどんな存在か、試験でどんな勉強が必要かといった基本から丁寧に解説。さらに、1次試験から2次の実技試験に至るまで、適切な参考書や効率的な勉強法、おすすめのアプリなど幅広くカバーされています。
さらにソムリエ実技試験対策も手厚く、サービス演習で使う道具の紹介なども。合格に向けて着実に力を伸ばしていくためのナビゲーターとして、多くの受験生にとって頼もしい存在となっていることでしょう。
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おすすめオンライン講座（有料）
ワイン受験.com
ワインエキスパートやソムリエの資格取得を目指す多くの人々を確実に合格へと導いてきた、山崎和夫講師のオンライン講座です。
山崎講師は、アカデミー・デュ・ヴァンやレコール・デュ・ヴァン、NHK文化センターなどで長年にわたり講師を務めてきた実力派。ワインエキスパート・エクセレンスをはじめ、日本酒や焼酎の資格も複数所持する、ワイン分野に留まらない広い知見を持つ人物です。
本講座では、CBTに対応した10万問を超える問題集と、1年間受講可能な模擬試験で、試験合格に向けた徹底した暗記対策ができます。山崎講師自らが解説を加えた理解を深める動画講義も用意されています。
問題集、模擬試験は1年間税込5500円、一次試験対策動画視聴は1年間税込5500円という破格な料金で提供されており、「ワイン概論」「ボルドー」「ブルゴーニュ」の一部は無料で体験できるのも魅力です。
資格取得に向けて効率的に学習を進めたい方は、一流講師の知見が存分に活かされたこの実力講座がおすすめです。
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VINOTERAS ヴィノテラスワインスクール
ソムリエ佐々木健太講師による充実したオンライン講座で、ワインエキスパート・ソムリエ試験に万全の対策ができます。1次試験と2次試験スタートアップに対応した「コンプリートコース」「一次試験集中コース」「二次試験スタートアップコース」が、ヴィノテラスワインスクールから公開されています。
3月から講座が開始しているので5月からでは「コンプリートコース」「二次試験スタートアップコース」は参加できません。「一次試験集中コース」はリアルタイム参加できる講座は限定されますが、録画動画があるので今からの申し込みでも全講座の閲覧が可能です。学習システムの利用、リアルタイムでの質問対応、分厚い専用テキスト、問題集アプリ「VINOLET」などがセットになって5万円です。
私自身何度か佐々木氏の講座は受講していますが、わかりやすい解説と圧倒的な話術がある上、ワインへの情熱が伝わってくることで自然と学習意欲が湧いてきます。ワインの知識だけでなく、ソムリエへの熱い思いも学べる、実力講師による講座です。
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スマホ・パソコン１つでいつでもオンラインで学べる、「ヴィノテラス ワインスクール」
おわりに
ワインが好きというだけで受験を決意したワインエキスパートでしたがいざ勉強をはじめると膨大なテキストに圧倒されて心が折れそうになることばかりでした。しかしネット上で同じ受験者の奮闘している姿や激励を送ってくれる合格者の先輩の声を読むことで、心を支えてもらい合格できました。
もう無理と思ったときは、上記で紹介している先生たちの言葉や同じくがんばっている受験者、合格者の先輩の声を探してみてください。「あと少しだけやってみようか」と力が湧いてくると思います。
「合格するともっとワインが楽しくなる」そう言ってくれた人がいました。それは真実だったと、今ならはっきりと言えます。
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